2008/04/06

また道を尋ねられた

健康診断のアルバイトがおわった。

合計4日間、ぼくは働いた。ここ2ヶ月は家にひきこもってばかりの隠遁生活を送っていたぼくだけれど、朝7時に起きて暗くなるまるで労働するという生活もできる。ぼくはそれを発見し、社会の中で生きてゆく自信を得て、にんまりと微笑んだ。

このバイト、日によっていろいろな場所にまわされた。はじめは視力検査、次に尿検査の受付。そして、きょうは午前中に案内係、午後に受付をやった。

実はきょうの健康診断は女子の日で、受診しにくるのは全員女だ。女の波に飲まれながら、ぼくは案内をした。

「X線の検査を受ける方はここをまっすぐ行ってください!」

「ここは身長・体重検査の列です!」

意識が朦朧としつつ、ぼくはそんな言葉を何度も繰り返していた。しかし、そんな中でも、会場に来る女の子1000人以上をすべてチェックし、

(素材はいいけど、ファッションがなぁ‥‥‥)

(かわいいけど、知性が足りないなぁ‥‥‥)

(おっ、こいつは100人に一人の逸材!)

などと評価を下していたことは、言うまでもないだろう。

けれど、そうやって1000人以上の女性遍歴を経たぼく(千人斬りの漢)にいちばん衝撃を与えたのは、ある一人の一年生だった。ぼくが案内をしているとき、彼女は尋ねてきた。

「先生、次はどの検診を受ければいいんですか?」

そのおっとりした声、緊張した話し方、絵に描いたようなお嬢様風の雰囲気、数日前にぼくに購買の場所を聞いてきた子だった。ぼくはすぐにそれに気がついた。彼女の方は、ぼくのことは覚えていない様子で、むしろ白衣を着ていたというだけで先生だと勘違いしたようだ。

二度目に話す名も知らぬ少女は、やはり典型的なお嬢様だった。

もしもう一度話しかけられるようなことがあれば、お茶に誘おうかと思っている。
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