2008/03/24

ジハンキモドキ

あの、たまに葉っぱとかに見えて実は虫っていうやつがいるじゃない? それにカメレオンなんて、いるはずなのに見えなかったりする。生物なのに生物に見えないっていう場合があるんだ。石みたいなキノコもある。土と同化してるような生き物もいる。

っていうことは、ふだん目にしてるものでも、それが実は生物だった、っていうことも十分ありうる。いや、その可能性の方が高いくらいさ。だってそうでしょ? 人間の目なんていい加減なもので、生物かどうかなんて、ちょっと見たくらいじゃ見分けられないもの。

外を歩いてるといろんなものが目に入るけれど、たとえば自動販売機なんて、怪しいね。そもそも、あんなにたくさんあるってことが不自然じゃないか。ぼくは目に映る自動販売機のうち、使ったことがあるやつなんて、ほんと、10台に1台もないもの。そのほとんどは余分なもののはずなんだ。

それなのに人間は阿呆だから、多すぎってことに気づかない。それをいいことに、自動販売機に成り済ましてる生き物が絶対いる。もともとの生物がどんな姿なのかよく分からないけれど、絶対化けてるんだ、自動販売機に。それはもしかしたら新種の生物かもしれない。そしたら、ぼくはその第一発見者だ。ぼくはそいつらをジハンキモドキと名付けるよ。

ジハンキモドキはそこら中にいる。日本中にいる。自動販売機のうち八割方は本物の機械だと思うんだけれども、残りの二割はジハンキモドキだ。道ばたに突っ立って素知らぬ顔をしているんだ。ほとんどそこでジュースを買おうとする人はいないから、正体がバレる危険も小さいんだ。

自販機の表面は金属っぽくてつやつやしているけれど、そういう質感まで真似できるジハンキモドキはすごいよ。生物って想像以上にすごい力を持ってる。きっとあいつらは体内に大量の鉄分を含んでいて、それを自由自在に皮膚の方に集めることができるんだ。

あ、もしかしたら、でも、ジハンキモドキの存在に気がついたのは、ぼくがはじめてではないかもしれない。ときどき、自販機の下や釣り銭の口のところに手を突っ込んでるおじさんがいるけれど、あの人は実は生物学者で、調査対象にしてるジハンキモドキの状態をチェックしてるのかも。あれは研究活動なのかも。すごい、すごい! 感動した! これで一つ、また謎が解決したよ、お母さん!
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