2008/03/16

カルボナーラ

「お待ちどおさま。きみの大好きなカルボナーラだよ」

「おいしそう。あたし、カルボナーラが世界で二番目に好きなの」

「おや、じゃあ、いちばん好きなものなものは?」

「あたしの口から言うまでもないわ。だって、いまあたしの瞳に映っているんですもの」

「なるほど、目は口ほどにものを言う、ってわけか。さあ、はやくカルボナーラをお食べよ。恋心とパスタは冷めやすいものだから」

「あら、悲しいことを言うのね。もしかして、あたしのことを、もう愛していないの?」

「なにを言ってるんだ。もちろん愛してるよ、世界で二番目にね」

「じゃあ、一番は?」

「一番は、口の端を汚しながらカルボナーラを食べてる女の姿さ。さぁ、分かったらはやくお食べよ」

「それじゃあ、カルボナーラさえ食べていれば、あたしじゃなくてもいいってことなの?」

「そうさ。だけど、ぼくがカルボナーラをご馳走するのはきみだけだよ。きみじゃないと、我がままなパスタたちはアルデンテになってくれないのさ」

「ところで、あなたにとって、あたしは今でもアルデンテかしら?」

「どのお口がそんな分かりきった質問をするのかな? 答えは、ぼくの口じゃなくて、きみの目の前にあるカルボナーラが教えてくれる」

「あなたって、ほんとにパスタと女の扱いがうまいのね。きっとナポリタンやペペロンチーノもつくれるんじゃなくって?」

「まったく困った人だよきみは。カルボナーラも口も減らないんだから」


カルボナーラと恋は、冷めないうちにどうぞ。
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