2006/07/06

彼女いない暦

意外に思われるかもしれないけど、僕には彼女がいない。

二三人しかいない、というのではなく、一人としていないのだ。せっかく苦しい受験戦争を生き延び、自由な大学生活を謳歌すべき年齢で、恋人が一人もいないというのは寂しいものがある。せめて一人でいいから欲しい。

しかし勘違いしないで頂きたいのは、僕の彼女いない暦は、年齢とイコールではないということです。そこだけは誤解しないで欲しい。そこらのモテない男といっしょにしてもらっては困る。僕は生まれる前から彼女がいなかったのだから、僕の彼女いない暦は宇宙の年齢とおなじはずなのです。現在の宇宙研究の成果で、宇宙創世から現在まで、だいたい160億年くらいらしいから、僕の彼女いない暦もまた160億年だということになる。どうだ、すごいだろう。すごく空しいだろう。

それにしても、160億年も僕のような男に誰も寄ってこないというのは奇妙です。ブログを読んでいる人は分からないだろうけれど、僕の顔は木村拓哉と比べてもなんら遜色ないほどなのですよ。目は二つついているし、口も一つだし、指の本数なんてまったくおなじ。おそらく世の中のほとんどの女性から見て、僕と木村拓哉のあいだにはなんらの違いもないに違いない。ただし、世の中のほとんどの女性というのは昆虫や動物も含むのだけれど。

美男子といえば木村拓哉、という発想しか出てこない寂しい僕なのだけれども、一昨日、見ず知らずの女の子から告白されるという驚くべき事件が発生しました。

火曜日、僕は毎週そうしているように、一人で遠い方のキャンパスまで授業を受けに行ってきました。一限ニ限とプログラムの授業を受け、お昼。そちらのキャンパスでは友人がいないので、一人で学食で食事をすることにしました。

選んだメニューはツナ冷麺と大学イモ。やはり外は暑いですから、氷の入った冷麺はひんやりしていていい感じ。それだけでもよかったのですが、少し甘いものを食べたかったので大学イモも食べることにしました。大学の学食だけに大学イモ。あれ、おもしろくない?

それで、席について食べていたのですが、だんだん学食が混んできましてね、ある女の子三人組が席を探してうろうろしていたのですよ。しかしゆったり三人で座れるようなスペースはもうありません。すると彼女らがこちらへ近づいてきて、なんと僕の前に横一列に座ったんですよ。端っこの人が僕の真ん前で、他の二人がだんご三兄弟の次男と三男みたいな感じ。別の表現をすると、テトリスのいちばん無難なパーツみたいな形になった。

「何食べようかぁ?」
「とりあえず並んでから考えよ。混んできたし」

そんな何気ない会話をしているわけですが、端っこのだんご三兄弟の長男はあきらかに僕に気があるわけですよ。初対面で真っ正面に座るってことはもう、それだけで半年以上の友達関係を経てきたのとおなじですからね、たぶん。

それから数分経ち、三人が食事を持って帰ってきました。で、真正面の女の子のトレーにのっていたものをみてびっくりしました。なんか、ツナ冷麺と大学イモがのってた。ツナ冷麺と大学イモですよ。これはもう、意識的に僕とおなじメニューにしたとしか考えられない。

偶然にしてはあまりに低い確率です。ツナ冷麺を選ぶ確率が10%で、大学イモを選ぶ確率が10%で、その他には何も選ばない確率が10%だとすると、その確率はわずか1000分の1ですからね。これはもう告白と捉えていいでしょう。しかも、よくよく考えてみると、このメニューには「大学で出会った私たち、冷たい世の中を手をツナいで渡ってゆきましょう」というコードが隠されていることに気づきました(なんだってーっ!?)。

しかし、僕は、敢えて断ったのです。沈黙をもって、断りました。彼女の積極的な気持ちは実に嬉しかったのですが、もしそこでOKしてしまうと、他の二人の女性に対して恥をかかせることになるし、告白してきた子が妬みを買っていじめられる可能性もありますからね。心を鬼にして断りました。なんてやさしいんだ自分。こうして、僕はまた彼女いない暦を更新し続けることになったのです。

なんか、書いててすごく空しくなってきたのですが、改めて考えてみると、恋人がいるということがほんとうに幸福なのかどうか、疑問も残るわけです。おそらく恋人がいることによって被る被害というか不自由というのも相当なものでしょう。それを考えたら、彼女なんていない方がいいのかもしれない。彼女がいたら時間的に拘束されるだろうし、いつ嫌われるかという不安も抱くことになるでしょう。デートをしたらお金もかかるし、何時間もショッピングに付き合わされるかもしれない。たまの休日には映画をみにいって、手をつないで街を歩いて、喫茶店で何時間もおしゃべりをして、大学では隣の席にすわって授業をうけ、用事もないのにメール交換をしたりお互いの部屋に遊びに行ったり‥‥‥。あー、彼女欲しいなぁ。
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