仮に、私のここ数日の生活をドキュメンタリー映画にし、映画館をジャックしてそれを放映したとする。さらに、上映後、出口でかんたんなアンケートを行って「このドキュメントの主人公の職業はなんでしょう?」という質問をしたら、100人中97人は「ニート」と答えるだろう。
そのくらい、ニート的な生活を送っている。
一日の大半は部屋にこもり、たまに出たかと思うとコンビニでサラダを買ったり、ミスタードーナツに行く程度。夕方のワイドショーで私の生活がとりあげられ、悲壮感漂うBGMとナレーションでVTRをつくって放送したら、スタジオの偉そうなおじさんに「日本の将来が心配です」的なコメントをされてもおかしくない生活である。
そんな日々を送る中、きのうは『オデュッセイア』の下巻を読んだ。
上巻は一週間ほどかけてチマチマとすすめていたが、だんだん物語に魅き込まれ、下巻は一日で一気に読み通してしまった。それほど、圧倒的におもしろかった。
下巻は、主人公オデュッセウス王の帰還と、悪党どもの退治である。
オデュッセウスは故郷のイタケに到着し、不在のあいだに妻に言いよって、しかも家の財産を食いつぶして毎日飲めや歌えやの宴会を開いている男たちを皆殺しにする計画を立てる。彼は女神の助けをかりてみすぼらしい老人に変装し、機をうかがう。
で、まあ、あらすじはめんどくさいから省略するけど、彼が息子のテレマコスと手下二人をしたがえ、館で悪漢どもを次々に殺戮するシーンは強烈である。ながいながい叙事詩がとうとうクライマックスに達するこの場面は、思い出すだけで髪の毛が逆立つほど。
『オデュッセイア』は紀元前8世紀ごろにさまざまな古代ギリシャの神話を取り入れて成立した叙事詩なんだけど、ぜんぜん古さを感じさせない。いま読んでも、めちゃくちゃおもしろい。
さて、ながいながい大冒険を終え、最愛の妻と再会し、大団円を迎えて本をパタンと閉じると、私は180円のサラダを買いにファミリーマートに歩いていった。
2009/03/04
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