2009/03/03

『オデュッセイア』(上)

古代ギリシャの英雄伝説、『オデュッセイア』という叙事詩を読んだ。

上下巻のうちまだ上だけしか読んでいないが、尾田栄一郎の『ワンピース』にも負けず劣らずのエキサイティングなお話である。作者のホメロスってやつは、尾田さんとおなじくらい、才能がある。

上巻のほとんどは、オデュッセウスという英雄がトロイエ戦争を終えて、イタケという故郷へ帰国するというお話である。このあいだに、かずかずの戦いや苦難が彼とその仲間を襲うのだ。

たとえば、こんなエピソードがある。

オデュッセウスたちが航海の途中で立ち寄った島に、一つ目巨人のキュクロプス族ってやつがいて、こいつがなんとオデュッセウスの仲間数人を、つまんで食ってしまうのだ。いくら英雄オデュッセウスといえど、この巨人に正面から立ち向かったのでは勝ち目がない。だから、彼は生き残った仲間と策を考え、最終的に、キュクロプスの弱点である眼球に尖らせた熱々の丸太を突き刺すことで難を逃れる。

他には、こんなこともあった。

魔法を使うキルケっていう女神のアドバイスに従って、オデュッセウスは冥府、つまり、地獄にいく。そこで亡くなった母親とか、死んだ仲間なんかに出会う。彼の旅はとうとうあの世にまで達するのだ。

冥府から帰還しても、まだまだ旅は続く。次に、セイレーンのいる海を通過せねばならない。セイレーンは甘い歌声で船乗りたちを誘惑し、永遠に足止めさせるという恐ろしい魔物なのだ。セイレーンの歌声を少しでも聞いたら負けなので、オデュッセウスは舟のこぎ手たちにロウで耳栓をし、自分自身はマストにぐるぐる巻きにしてもらって、その海を渡る。

他にも、『ワンピース』ばりのエピソードがこの『オデュッセイア』を構成しているので、興味のある人は読んでみて欲しい。(それと、第二次世界大戦の頃に活躍したアドルノとホルクハイマーっていう哲学者が『啓蒙の弁証法』という本の第二章でこのホメロスの神話を分析していて、そちらもおもしろいです。)


さて、大冒険を終えた興奮冷めやらぬまま、下巻ではどんな冒険が私を待ち構えているのだろうと期待しつつ、私は『オデュッセイア』の上巻をパタンと閉じた。

そんで、ふと我に返ると、現実世界の私は一日中一歩も外に出てないことに気づいた。

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