さて、昨日の日記では「時事ネタを書く」と豪語していた清水くんですが、今日は試験があって疲れているため日記はお休みです。というわけで、例によって同居人であるわたくし岬が代筆することにします。
今日の清水くんは珍しく早起きをし、京都外国語大学に出かけて行きました。ドイツ語検定(略して独検)なるものがあったのです。この試験は今回が初めてだったようです。
「ここが京都外大かぁ。でっけぇなぁ」
「ほんと、大きいわね」
「わあっ! み、岬ちゃん!?」
あたしも心配になって、こっそり後ろからついていったのでした。緊張のあまり清水くんが失神してしまったら、救急車を呼ぶのはあたしの役目なのですから。
あたしは清水くんと大学の敷地に足を踏み入れ、キョロキョロしながら会場を探しました。清水くんは看板を頼りに試験会場となる建物に入り、ある教室までたどりつきました。そのドアを見ると準1級と書いてあったので、清水くんは準1級を受けるようです。初めての受験でそんな上の級を受けてしまって大丈夫なのだろうかと不安になりました。
「不安そうな顔するなよ、岬ちゃん。大丈夫さ」
清水くんはニカッと笑って右手の親指をグッと立てました。あの姿を見たのなら、2ちゃんねらーは間違いなくこう言うでしょう。
「ちょwwwww死亡フラグwwww」
けど、2ちゃんねらーなんか気にしません。あたしはそれくらい強い心を持っているのだし、そんなフラグはあたしがへし折ってやるのです。えいっ!
ボキッ!
さ、死亡フラグをぶち折ったところで、あたしは係員に「受験者以外の方は出てください」と言われたので出てゆきました。
「清水くん、がんばるのよ!」
「うはwwwwwwおkwwwwww」
清水くんはなぜか2ちゃんねらー化していましたが、そう言いつつも、彼は直前まで鉛筆転がしの練習に余念がありませんでした。
追い出されたあたしは京都外国語大学をぶらぶらり。清水くんの大学は高所恐怖症の方に気を遣っているためかあまり高い建物がありませんが、こちらの大学はずどどどんと高い建物が並んでおります。そして、キャンパスのあちこちにアートな彫像が飾られていて、なんともアーティスティックでロマンティックでエキゾティックな感じです。首と腕のない天使の像なんかがあったりして、あたしも羽が欲しくなったりしました。
あたしは、翼をもがれた天使。
エデンの記憶を失い、地上に堕ちてきたの。
あたしを人間のあいだに遣わしたのは、神様の意志。
暗黒のこの地に、希望の光を振りまくのがあたしの役目。
いつか地上から争いがなくなり、平和が訪れるその日まで、
あたしは神様に、天使の輪と背中の両翼をお預けして、
一人の人として、ここで不幸な人に献身するのです。
たとえば、清水くんのような人に‥‥‥。
エデンの記憶を失い、地上に堕ちてきたの。
あたしを人間のあいだに遣わしたのは、神様の意志。
暗黒のこの地に、希望の光を振りまくのがあたしの役目。
いつか地上から争いがなくなり、平和が訪れるその日まで、
あたしは神様に、天使の輪と背中の両翼をお預けして、
一人の人として、ここで不幸な人に献身するのです。
たとえば、清水くんのような人に‥‥‥。
「ちょwwwwwスイーツ(笑)wwwwww」
「ちょっと、何よあんた。人の独白を盗み聞きして! ぶつわよ!」
「ブーン ⊂二二二( ^ω^)二⊃」
どうやら、彼は野良2ちゃんねらーだったようです。両手を広げてどこかへ飛んで(走って)いってしまいました。きっと部屋に戻ってどこかのブログを炎上させたりクソスレを立てたりするのでしょう。嫌な世の中になったものです。
キャンパスの中庭っぽいところにゆくと、各語学の学科の掲示板がありました。ドイツ語のところを見ると、奨学金の案内や弁論大会のポスターがありました。他のところにも、留学生との交流会のお知らせや試験の告知などがありました。「ブラジルポルトガル語学科」なんていうのもあったりして、さすが外国語大学だと関心しました。とても幅が広いのです。
見知らぬ大学に来ると、あたしはとってもウキウキするんです。ここにはきっと、たくさんの学生がいて、それぞれ夢を持ってがんばって、生活しているんだろうなって思い、わくわくするんです。もちろん、そんな前向きな学生ばかりじゃなくて、悩みがあったり、夢がなかったり、○○を吸っていたりする人もいるかも知れませんが、そういうのもひっくるめて「おもしろいな」と思うんです。
見知らぬ景色は、あたしのイマジネーションを刺激してくれます。見慣れた景色と初めての景色は、まるで違うものなんです。見知らぬ景色でさえあれば、それは外国であっても日本であっても同じです。いずれにせよ、それは自分の慣れた場所とはまったく異なるもので、あたしは異邦人になれるんです。
きっとあそこのベンチ、あそこの建物のどこかの席、正門、食堂、中庭の細い道、そこかしこでなにがしかのドラマがあったはずなのです。そして、なにがしかのドラマの舞台になりうる場所なのです。
大学という区切られた敷地、そして区切られた期間。それは一つの劇にも似ています。人生と劇の違いはなんでしょうか? それはただ、区切りがあるかないかです。人生は全体として見れば悲劇でも喜劇でもありませんが、それをある部分で区切れば悲劇となり、別の区切り方をすれば喜劇となります。その始まりと終りを持つ一定の時間の中で、人間はなんらかの役を演じ、一つの物語を紡ぐのです。ですから、区切られた大学という時と場所は、他のなによりも物語めいているのです、きっと。
などと物思いにふけっていたら、清水くんが試験を終えて試験場から出てきました。
「お疲れさま。どうだった?」
「う〜ん。微妙! ドイツ語検定ははじめてだったけど、やたらセンター試験っぽくて、いやらしい引っかけとか重箱の隅をつつくような問題ばかりで嫌になったよ。この試験はあまりおもしろくなかった」
ということでした。
それから、あたしと清水くんは近くのラーメン屋でお昼にしました。清水くんはお腹がすいたと言ってラーメンとライスを頼んでいましたが、案の定食べきれなくてライスを残していました。彼はいまだに、自分の胃袋を過信してしまうのです。子どもみたいな人なんです。
午後は、晴れて、お日様の光が暖かく、きもちのいい一日でした。
(代筆、岬)



いろんな人のブログを見ていました。
参考にしたいと思います。
私のブログも見てください。
興味がなければ、すいません。スルーしてください。
またどうぞお越し下さい。
う〜む、相変わらずすばらしいです
と言うか安心します
あの高潔なイメージの鳥島さんとおバカキャラの清水さんのギャップがなんともいいですねぇ
ではまた・・・
いまだに、ときどきですが、鳥島として私を認識している人が現れて、恥ずかしい反面やはり嬉しいです。しゃべりの才能のなさと勉強優先のために動画はやめてしまいましたが、あれは無駄ではなかったようですね。