2008/07/12

太陽がやらせた

きょうは朝っぱらから卒業アルバムの撮影であった。

ぼくは写真部の友人(高身長ハスキーヴォイス)との約束通り、朝一番に撮影所に駆け込み、文字通りINO・ICHIBANNに撮影してもらった。(撮影時のことについては笑顔がつくれなくて閉口したなどの理由により省略する。ぼくの表情筋は8歳のときに死滅したのだ。)

撮影が終ると、一枚のアンケートをお願いされた。これも卒アルに載るかもしれないのだそうだ。ぼくは掲載されるようにがんばって質問に答えた。


 質問 在学中に付き合った異性の数は?
 答え 56人

 質問 あなたの経験した珍しい恋愛エピソードを教えてください。
 答え キスしたら呪いが解けて元に戻った。


といった調子である。これほどの経験をしている人はそうはおるまい。掲載間違いなしである。もしくは、卒アル編集委員らに読まれて失笑の嵐、であろう。(あとで気づいたが、56人は「ごろくにん」と読まれてしまったら残念だ。57人か54人と書けばよかった。)


それから、お昼はY子とデートだった。学校の隣のカフェに行くことになった。

そこでぼくはヘーゲルだったかベーグルだったか忘れたが、そんなような名前のものを食べた。Y子はケーキを食べていた。(もしかしたらケーキじゃなかったかもしれない。)

食事をしつつ、しばらくぼくらは友人の近況、卒業後の進路のことなどについて話していたのであるが、彼女は手帳を取り出し、あるページを開いて

「この詩、どう思う?」

と言って一編の詩を見せてきたのである。だが、ぼくはあまりピンと来ず、むしろ最後の方に書かれているエロい言葉にドキッとさせられただけだった。ぼくはなぜこんなものを読まされたのか謎であった。(ヴィクトリア朝育ちのぼくには刺激の強過ぎる記述だった。)

が、ぼくは悔しかったので同じくエロい話をしてやろうと思った。浪人時代の友人Nくんが部屋にしこたまエロ本を溜め込んでエロ・ライブラリー、もしくはエロ・アーカイヴとでもいうべきものを作り上げていた、という話をしてやった。失笑されただけであった。


挿話 『本好きな女性の口説き方』


「いま付き合ってる人いるの?」
「いないよ」
「ほんとに? そんなにかわいいのに」
「またそういうことをいう‥‥‥。あたしは本だけが恋人ですから」
「おれ、本になりたいな」

終り ※この挿話は本編とは一切関係ありません。



一時間弱、彼女と喫茶店で過ごし、外に出た。むわーっと夏の熱気。近くの寺から歩いてくる坊さんの列。

「○○寺歩いて行こうか」とぼく。
「うん」 とノリノリのY子。

ということで軽く散歩に連れ出した。暑くて熱中症になりそうだった。


挿話 『夏場の女性の口説き方』


「暑いね。熱中症になっちゃいそう」
「そうだね。でも、ぼくはすでにきみに熱中症」

終り ※この挿話は失敗でした。



そういうわけで、ぼくらはぐるっと寺の庭をまわってから大学に戻ってきてお開きとなったわけだ。

ああ、暑い、暑い。なんて暑い日だったんだろう。まるでカミュの『異邦人』の世界だ。

すべて、太陽がやらせたのだ。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。